戸籍謄本の取り方|広域交付・窓口・郵送の手数料
結論
本人・配偶者・父母や子などの戸籍謄本は、本籍地が遠くても最寄りの市区町村の窓口で取れます(広域交付)。抄本・附票や郵送・代理人の請求は本籍地へ。
戸籍謄本(正式には戸籍全部事項証明書)は、相続などの手続きで求められる書類です。以前は本籍地の役所に行くか郵送で取り寄せるしかありませんでしたが、2024年3月1日の戸籍法改正で、本籍地以外の市区町村の窓口でも請求できる「広域交付」が始まりました。請求できる人、手数料、時間のかかり方を順番に整理します。
まず押さえたいポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取る方法 | 本籍地の窓口、本籍地以外の窓口(広域交付)、コンビニ交付、郵送請求の4つ |
| 請求できる人 | 戸籍に載っている本人、その配偶者、父母・祖父母など(直系尊属)、子・孫など(直系卑属) |
| 広域交付で取れるもの | 戸籍謄本(全部事項証明書)、除籍謄本、改製原戸籍謄本 |
| 広域交付で取れないもの | 戸籍抄本(個人事項証明書)、一部事項証明書、戸籍の附票、身分証明書・独身証明書など |
| 手数料の例 | 今回確認した自治体では、戸籍謄本1通450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本1通750円 |
| 本人確認 | 窓口では運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなどを提示 |
兄弟姉妹は直系ではないため、父母の戸籍から出たきょうだいの戸籍証明書は広域交付では取れない、と岡山市は案内しています。
4つの取り方の比較
| 本籍地の窓口 | 広域交付(本籍地以外の窓口) | コンビニ交付 | 郵送請求 | |
|---|---|---|---|---|
| 行く場所 | 本籍のある市区町村 | 全国どこの市区町村でも | 全国のコンビニのマルチコピー機 | 本籍のある市区町村へ郵送 |
| 代理人の請求 | 委任状があれば可 | 不可 | 不可 | 本籍地の案内による |
| 抄本・附票 | 取れる | 取れない | 本籍地が対応していれば抄本も可 | 取れる |
| 必要なもの | 本人確認書類 | 顔写真付きの本人確認書類 | マイナンバーカードと暗証番号(4桁) | 請求書、本人確認書類の写し、定額小為替、返信用封筒 |
| 時間 | 本籍地への照会がない分、広域交付より早い | 本籍地への確認で長時間・後日渡しのことがある | 本籍地が別なら事前の利用登録が必要 | 新潟市は届いてから発送まで7〜10営業日程度 |
平日に役所へ行けるなら広域交付、マイナンバーカードがあり本籍地が対応しているならコンビニ交付、窓口に行けないなら郵送、が目安です。
広域交付で戸籍謄本を取る手順
- 必要な戸籍を書き出す:だれの戸籍か、本籍と筆頭者(戸籍の最初に書かれている人)がわかれば書いておきます。相続などで出生から死亡までの戸籍が必要なら、その旨を窓口で伝えます。
- 請求できる人か確かめる:本人、配偶者、直系の親族だけが請求できます。法務省は、郵送や代理人による請求はできないとしています。
- 顔写真付きの本人確認書類を用意する:運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどです。岡山市は、健康保険の書類などを複数組み合わせる方法では受け付けないとしています。
- 最寄りの市区町村の戸籍窓口で請求する:請求書は広域交付用の様式がある自治体もあります。大分市の受付は平日8時30分〜17時です。
- 受け取る:八王子市は、全国統一の運用として本籍地に確認してから交付するため、通常30分〜1時間前後の内容でも2時間以上かかる場合があり、夕方の申請などは後日交付になることもあるとしています。急ぐなら本籍地の窓口を使うよう案内しています。
コンビニ交付を使う場合
住所と本籍が同じ市区町村なら、本籍地がコンビニ交付に対応していれば、マイナンバーカードでそのまま取れます。住所と本籍が別の市区町村なら、先に本籍地へ「利用登録申請」が必要です。J-LIS(地方公共団体情報システム機構)によると、申請はマルチコピー機かICカードリーダー付きのパソコンから、マイナンバーカードを使って行います。完了の連絡は来ないため、申請時に表示される16桁の申請番号で登録状況を確認します(横浜市)。
登録にかかる日数は自治体で違い、横浜市は2〜3営業日、札幌市は5営業日ほどとしています。札幌市では、住所を市外で異動したときや、マイナンバーカード・電子証明書を更新したときは登録のやり直しが必要です。また札幌市は、2025年9月1日からコンビニ交付の手数料を窓口より200円安くしました。料金は市区町村ごとに異なるため、本籍地のサイトで確認してください。
郵送で請求する場合
本籍地の市区町村に、次の4点を送ります(さぬき市の例)。
- 請求書(自治体の様式。便せんに必要事項を書いてもよい自治体もある)
- 運転免許証やマイナンバーカード表面などの本人確認書類の写し
- 手数料分の定額小為替(郵便局で購入。有効期限は発行日から6か月)
- 住所・氏名を書いて切手を貼った返信用封筒
何通必要かわからないときは、さぬき市は小為替を多めに送れば残りを返すとしています。狭山市は原則として納付額分を求め、不明なら到着後に金額を連絡します(急ぐ場合は多めに送る方法も可)。扱いが分かれるので、送る前に請求先の案内を確認しましょう。
試算例:相続で戸籍をそろえるといくらかかるか
亡くなった親の出生から死亡までの戸籍として、現在の戸籍謄本1通と、除籍謄本・改製原戸籍謄本が合わせて3通必要になったと仮定します。今回確認した自治体の手数料で計算すると次のとおりです。
| 証明書 | 単価 | 通数 | 小計 |
|---|---|---|---|
| 戸籍謄本 | 450円 | 1通 | 450円 |
| 除籍謄本・改製原戸籍謄本 | 750円 | 3通 | 2,250円 |
| 合計 | 2,700円 |
本籍地が3か所に分かれていても、広域交付なら1か所の窓口でまとめて請求でき、郵送のように小為替や返信用切手を用意する手間がかかりません。ただし、コンピュータ化されていない一部の古い戸籍は広域交付の対象外です。相続全体の流れは家族が亡くなったときの手続きと期限を参考にしてください。
戸籍謄本の提出が要らなくなった手続きもある
法務省によると、本籍地以外で婚姻届などを出すとき、提出先の職員が本籍地の戸籍を確認できるようになり、戸籍証明書の添付は原則不要になりました。児童扶養手当の申請も、マイナンバーを示せば添付不要です。紙の代わりに「戸籍電子証明書提供用識別符号」を出せる手続きもあり、大分市は2025年3月24日から一部の行政手続きで使えるとしています。取る前に提出先へ確かめると、手数料を節約できます。結婚・離婚の手続きは結婚したときの手続き一覧と離婚したときの手続き一覧にまとめています。
チェックリスト
- □ 提出先に、戸籍謄本が本当に必要か(識別符号やマイナンバーで代えられないか)確認した
- □ 必要なのが謄本か抄本か、附票も要るかを確認した
- □ 本籍と筆頭者の氏名を確認した
- □ 広域交付なら、顔写真付きの本人確認書類を持った
- □ コンビニ交付なら、本籍地の対応と利用登録の要否を確認した
- □ 郵送なら、小為替・返信用封筒・本人確認書類の写しをそろえた
よくある質問
Q. 本籍地がわからないときはどうすればいいですか?
A. 本籍は住民票の写しに記載してもらうことができます。札幌市のコンビニ交付でも、住民票の「本籍・筆頭者」の記載の有無を選べます。マイナンバーカードを使ったコンビニ交付の利用登録では、本籍と筆頭者の氏名の入力を誤ると申請が却下されることがあると福岡市は注意しています。
Q. 広域交付で戸籍抄本は取れますか?
A. 取れません。法務省は、一部事項証明書・個人事項証明書(抄本)は広域交付で請求できないとしています。抄本が必要なら、本籍地の窓口、郵送、または本籍地が対応していればコンビニ交付を使います。
Q. 家族に代わりに取りに行ってもらえますか?
A. 広域交付では代理人による請求はできません。本籍地の窓口なら、法務省は委任状などで代理権限を確認するとしています。なお、子が両親の戸籍謄本を請求するときは、本人確認書類があれば委任状は不要です。
出典
情報確認日:2026年10月16日。手数料、受付時間、請求書の様式、コンビニ交付の対応状況と料金は市区町村によって異なります。請求する前に、窓口となる市区町村または本籍地の市区町村の案内を確認してください。この記事は一般的な手続きの説明で、個別の法的判断を示すものではありません。
- 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」
- 法務省「戸籍の窓口での「本人確認」が法律上のルールになりました」
- 地方公共団体情報システム機構(J-LIS)「本籍地の戸籍証明書取得方法」
- 横浜市「コンビニ交付サービス よくあるご質問」
- 札幌市「証明書コンビニ交付サービス(コンビニ交付)」
- 福岡市「福岡市以外に住民登録がある方のコンビニ交付の戸籍証明について」
- 大分市「戸籍証明書等の広域交付について」
- 岡山市「戸籍証明書等の広域交付について」
- 八王子市「戸籍証明書等の広域交付」
- さぬき市「郵送による戸籍謄抄本等の請求について」
- 新潟市「郵便で請求できる各種証明等」
- 狭山市「証明書等の郵送請求に係る郵便定額小為替について」