ふるさと納税ワンストップ特例の申請方法|必要書類と期限

税金・控除 公開日 / 最終更新日 / 情報確認日 / 執筆 トムシ

結論

確定申告が不要な会社員などで寄附先が1年に5団体以内なら、寄附先ごとに申請書を翌年1月10日までに出せば、確定申告なしで翌年度の住民税から控除されます。

ふるさと納税は、寄附した額から2,000円を引いた分が、一定の上限まで所得税と住民税から控除される制度です。控除を受けるには原則として確定申告が必要ですが、条件を満たす人は、寄附先の自治体に申請書を出すだけで済む「ワンストップ特例制度」を使えます。年末に寄附が集中する時期を前に、使える条件、書類、期限を順番に整理します。

この記事は、申請の条件、必要書類、期限、確定申告へ切り替える手順を扱います。控除の上限の試算や、確定申告とワンストップのどちらが得かは、くらしの節約ノートの記事を見てください。

まず押さえたいポイント

項目内容
使える人確定申告の不要な給与所得者等で、1年間(1月〜12月)の寄附先が5団体以内の人
出すもの寄附先ごとの「申告特例申請書」と、マイナンバーの確認書類・本人確認書類の写し
出す先寄附した自治体(受付業務を外部に委託している自治体もある)
期限寄附した翌年の1月10日必着(2026年中の寄附は2027年1月10日)
控除のされ方所得税からは控除されず、全額が翌年度の住民税から差し引かれる
申請方法郵送のほか、一部の自治体はマイナンバーカードを使ったオンライン申請に対応

自己負担の2,000円は、寄附1回ごとではなく1年間の寄附の合計に対してかかると総務省は説明しています。

ワンストップ特例と確定申告の違い

ワンストップ特例確定申告
寄附先の数5団体以内制限なし
手続き先寄附した各自治体住所地の税務署
期限翌年1月10日必着翌年3月15日まで
所得税控除なし(その分も住民税で控除)その年の所得税から控除・還付
住民税翌年度分から全額を控除翌年度分から控除
必要なもの申請書と本人確認などの写し自治体が発行する寄附の受領書

どちらでも、控除の合計額は原則として同じ計算になります。違うのは「どこから戻るか」です。ワンストップ特例では還付金は振り込まれず、翌年6月以降に払う住民税が減ります。

ワンストップ特例を申請する手順

  1. 使えるか確かめる:その年に確定申告をする予定がないか、寄附先が5団体以内に収まるかを確認します。
  2. 寄附するときに申請書を希望する:多くの自治体は、寄附の申込みで申請書の送付を「希望する」と選ぶと、入金確認後に申請書を郵送します。宇和島市は、12月下旬以降の申込みでは送付が間に合わない場合があるとして、様式のダウンロードを案内しています。
  3. 申請書に記入する:自治体から届いた申請書、またはダウンロードした様式に必要事項を記入します。自治体が記入済みで送ってきた申請書の内容に誤りがあれば、宇和島市のように連絡を求める自治体もあります。払込票の「申請書の送付を希望します」に印をつけただけでは申請は完了しない、と総務省は注意しています。
  4. 添付書類をそろえる:マイナンバーカードがあれば表面と裏面のコピーで足ります。ない場合は、通知カードやマイナンバー入りの住民票の写しなどと、運転免許証やパスポートなどのコピーを組み合わせます。
  5. 寄附先ごとに提出する:郵送先は自治体ごとに異なります。オンライン申請に対応した自治体なら、マイナンバーカードを読み取って申請できます。翌年1月10日必着のため、年末年始の郵便事情も考えて早めに出しましょう。

試算例:控除はいくらになるか

総務省の資料は、年収1,000万円の給与所得者(独身または共働き、給与収入のみ、住宅ローン控除なし)が18万円を寄附したモデルを示しています。所得税率を20%とした場合、控除の対象は180,000円−2,000円=178,000円です。

区分計算控除額
所得税178,000円×20%35,600円
住民税(基本分)178,000円×10%17,800円
住民税(特例分)178,000円×(100%−10%−20%)124,600円
合計178,000円

ワンストップ特例を使うと、所得税分の35,600円も住民税から差し引かれ、翌年度の住民税が合計178,000円減ります。自己負担は2,000円です。ただし、住民税の特例分は住民税所得割額の2割が上限で、寄附が多すぎると負担が2,000円を超えます。自分の上限額は住んでいる市区町村の住民税担当に確認するよう総務省は案内しています。年末調整で控除額が変わると上限も動くため、年末調整の書類の書き方もあわせて確認してください。

引っ越し・結婚で住所や氏名が変わったとき

申請書を出したあとに、住所や氏名など申請内容が変わったら、寄附先の自治体に「申告特例申請事項変更届出書」を、寄附した翌年の1月10日までに出します。宇和島市は、寄附した翌年の1月1日までに転居や結婚で内容が変わった場合に届出が必要としています。長野市は、マイナンバーカードを本人確認に使う場合、券面の住所・氏名の変更手続きを済ませておくよう案内しています。住所変更の流れは引っ越しの手続き一覧、氏名変更は結婚したときの手続き一覧、カードの券面更新はマイナンバーカードの申請・更新を参考にしてください。

確定申告をすることになったら

医療費控除などの申告をする人は、給与所得だけでもワンストップ特例の対象外です。ワンストップ特例を申請していても確定申告をすると特例は使えなくなるため、長野市は確定申告でふるさと納税の寄附金控除もあわせて申告するよう注意しています。寄附先が6団体以上になった場合も確定申告が必要です。確定申告に備えて、自治体から届く寄附金の受領書は捨てずに保管しましょう。医療費が多かった年は、高額療養費の申請とあわせて控除の扱いを整理しておくと安心です。

最近の制度の見直し

総務省は告示を改正し、2025年10月1日から、寄附に伴ってポイントなどを付与するポータルサイト等を通じた自治体の募集を禁止しました。また、総務省の2026年3月の資料では、令和8年度税制改正の内容として、住民税の特例控除額に193万円(給与収入1億円相当)の上限を設け、2027年の寄附分から適用するとしています。ワンストップ特例の条件(確定申告不要・5団体以内・翌年1月10日まで)そのものは、今回確認した総務省・自治体の案内で変わっていません。

チェックリスト

  • □ 今年、医療費控除などで確定申告をする予定がない
  • □ 寄附先が1月〜12月で5団体以内に収まっている
  • □ 寄附先ごとに申請書を出した(または出す予定を書き出した)
  • □ マイナンバーの確認書類と本人確認書類の写しを添えた
  • □ 翌年1月10日必着に間に合うよう発送した
  • □ 住所・氏名が変わったら変更届を出した
  • □ 寄附金の受領書を保管している

よくある質問

Q. ワンストップ特例を使うと、所得税の還付はありますか?

A. ありません。総務省によると、ワンストップ特例が適用されると所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が翌年度の住民税から差し引かれます。

Q. 1月10日に間に合わなかったら、控除は受けられませんか?

A. 宇和島市は、期限後に届いた申請書は受け付けず、確定申告で寄附金控除の手続きをするよう案内しています。翌年3月15日までに確定申告をすれば控除を受けられます。

Q. 家族が代わりに寄附しても、自分の控除になりますか?

A. なりません。総務省は、寄附金控除を受けるには納税者本人がふるさと納税を行い、名義も本人である必要があるとしています。

Q. 返礼品に税金はかかりますか?

A. 総務省によると、返礼品は一時所得にあたり、ほかの一時所得と合わせて年間50万円を超えた部分が課税対象になります。

出典

情報確認日:2026年10月16日。申請書の様式、添付書類、送付先、オンライン申請の可否は寄附先の自治体によって異なります。控除の上限額は収入や他の控除によって変わるため、住んでいる市区町村の住民税担当で確認してください。この記事は一般的な手続きの説明で、個別の税務判断を示すものではありません。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事情に応じた法律・税務などの助言ではありません。制度の内容や期限は変更されることがあり、お住まいの市区町村や勤務先によって取り扱いが異なる場合もあります。手続きの前に、記事末尾の出典(公式ページ)と窓口で最新の情報をご確認ください。本記事の情報は2026-10-16時点で確認したものです。